応用数学 第15回 (1) 微分方程式の境界値問題
教科書 p.77, 問題 5.1 (1)
x(t) の2階微分方程式に境界条件を付けて解いてみましょう。
{x″+3x′−4x=0x(0)=0, x(1)=1.( 0≦x≦1 )
2階微分の公式には
x′(0) の値が必要ですが、
今回は値として与えられていませんので、
とりあえず c=x′(0) とおいておきます。
L(x(t))=X(s) とおくと、境界条件のひとつ目
x(0)=0 と
表 II 6 より
L(x″)=s2X−x(0)s−x′(0)=s2X−c,L(x′)=sX−x(0)=sX.
よって
L(x″+3x′−4x)=(s2X−c)+3sX−4X=(s2+3s−4)X−c.
従って、像方程式は
(s2+3s−4)X−c=0.
∴
X=cs2+3s−4=c5(1s−1−1s+4).
表 I 6 より
x(t)=c5{L−1(1s−1)−L−1(1s+4)}=c5(et−e−4t).
ここへ境界条件のふたつ目
x(1)=1 を入れると
1=x(1)=c5(e−e−4).
∴
c5=(e−e−4)−1.
ここで c=x′(0) の値が決まり、
x(t)=et−e−4te−e−4
となります。
教科書 補題 5.1
第10回 に述べた補題を、
ラプラス変換で解いてみましょう。
Lemma k を定数とし、2 階微分方程式
{x″(t)+k x(t)=0( 0≦t≦ℓ )x(0)=x(ℓ)=0
を考える。このとき、
- (5.2) が x≡0 以外の解を持つこと
⇔ k>0 かつ ∃ 自然数 n
such that √k=nπℓ
- (1) のとき、(5.2) の一般解は
x(t)=Asin(nπtℓ)
証明 上と同じく
c=x′(0) とおくと
L(x″)=s2X−c.
よって
L(x″+kx)=(s2+k)X−c.
従って像方程式は
(s2+k)X=c.
∴
X=cs2+k
表 I 2, 7, 9 より
- k=0 のとき
x(t)=cL−1(1s2)=ct.
- k=λ2>0 のとき
x(t)=cλL−1(λs2+λ2)=cλsin(λt).
- k=−λ2<0 のとき
x(t)=cλL−1(λs2−λ2)=cλsinh(λt).
このうち、境界条件
x(ℓ)=0 を満たし得るのは (2) の場合のみで、
sin(λℓ)=0 より
√k=λ=nπℓ, ∃ 自然数 n
となります。(証明終)
教科書ではこのあと、波動方程式、熱伝導方程式などの偏微分方程式をラプラス変換で解いてありますが、
フーリエ級数 で解くより複雑になります。
次のページでは積分方程式を扱います。