応用数学 第14回 (2) 連立微分方程式の場合
教科書 p.72, 問題 4.3 (4)
ふたつの未知関数
x=x(t),
y=y(t) についての連立微分方程式を、
ラプラス変換を使って解いてみましょう。
{x′+3x+y=0,x(0)=0,−10x+y′−3y=2et,y(0)=0.
L(x(t))=X(s)=X,
L(y(t))=Y(s)=Y とおくと、
表 II 6 と初期条件より
L(x′)=sX−x(0)=sX,L(y′)=sY−y(0)=sY.
よって
表 II 1 より
L(x′+3x+y)=L(x′)+3L(x)+L(y)=sX+3X+Y=(s+3)X+Y,L(−10x+y′−3y)=−10L(x)+L(y′)−3L(y)=−10X+sY−3Y=−10X+(s−3)Y
また
表 I 6 より
L(2et)=2s−1.
従って像方程式は
(s+31−10s−3)(XY)=(02s−1)
となります。よって
(XY)=1(s+3)(s−3)−1×(−10)(s−3−110s+3)(02s−1)=1s2+1(−2s−12(s+3)s−1)
部分分数展開すると
X=−2(s2+1)(s−1)=(ss2+1)+(1s2+1)−(1s−1),Y=2s+6(s2+1)(s−1)=−4(ss2+1)−2(1s2+1)+4(1s−1).
従って
x(t)=L−1(ss2+1)+L−1(1s2+1)−L−1(1s−1)=cos(t)+sin(t)−et,y(t)=−4L−1(ss2+1)−2L−1(1s2+1)+4L−1(1s−1)=−4cos(t)−2sin(t)+4et.
( 教科書巻末の答では
x(0)=1 になるので、問題の初期条件を印刷ミスしたのかもしれません。)