応用数学 第2回 (6) 積分因数 その2
より一般的なテクニック
Th.14 h=1Q(∂P∂y−∂Q∂x) が
x だけの関数であれば、x の関数
λ=e∫hdx
は (5.1) の積分因数になり、
(5.1) の一般解は
∫(λP)dx=C.
証明 λ は
x だけの関数ゆえ
∂(λP)∂y=λ(∂P∂y),∂(λQ)∂x=dλdxQ+λ(∂Q∂x)=(hλ)Q+λ(∂Q∂x)=λ((∂P∂y−∂Q∂x)+∂Q∂x)=λ(∂P∂y)
従って
Th.8 により
λ は積分因数になります。
Cor.9 の
f は
f=g+∫{(λQ)−∂∂yg}dy,
g=∫(λP)dx
ですが、今の場合
{} 内=(λQ)−∂∂y∫(λP)dx=(λQ)−∫∂(λP)∂ydx=(λQ)−∫∂(λQ)∂xdx=(λQ)−(λQ)=0
ゆえ
f=g. 従って一般解は
∫(λP)dx=C
となります。(証明終)
Ex.15 (x2−y2)dx+2xydy=0
解 P=x2−y2,
Q=2xy とするとき
h=1Q(∂P∂y−∂Q∂x)=12xy(−2y−2y)=−2x
は
x のみの関数ゆえ
Th.14 が使え、
λ=e∫(−2x)dx=e−2logx=1x2,
∫(λP)dx=∫(1−y2x2)dx=x+y2x
従って一般解は
x+y2x=C.