応用数学 第5回 (3) 未定係数法
未定係数法
次は $(8.1)$ の特殊解をひとつみつける方法です。
仮定 4 $(8.1)$ の右辺 $R(x)$ の各項を何度か微分して得られる関数たちの生成するベクトル空間が有限次元だとする。
このとき、その基底を
$R_1$, $R_2$, $\cdots$, $R_m$
とすると、特殊解が
$y=c_1\,R_1+c_2\,R_2+\cdots+c_m\,R_m$
の形で得られることがあります。
例
Ex.5 ( 例 8.2 (1) ) $y'' - 3y' = 10 \sin x$
解 右辺の $\sin x$ を何度か微分して得られる関数が生成するベクトル空間は
$\sin x$, $\cos x$ を基底とする2次元です。そこで
$y=a \sin x + b \cos x$
とおいてみます。
$\dps{
\left\{
\begin{array}{l}
y'=a \cos x - b \sin x \\
y''=-a \sin x - b \cos x \\
\end{array}
\right.
}$
を元の方程式に入れると
$(-a \sin x - b \cos x)-3(a \cos x - b \sin x)=10 \sin x$
∴ $(-a + 3b)\sin x +(-b -3a)\cos x = 10 \sin x$
∴ $-a + 3b= 10$, $-b -3a= 0$
∴ $a= -1$, $b= 3$
従って、特殊解として
$y_0= -\sin x+3 \cos x$
が得られました。
Th.2 と合わせると、
一般解 $y$ は
$y= -\sin x+3 \cos x + A + B\, e^{3x}$
となります。