専門コア情報処理演習（塩田クラス）

専門コア情報処理演習（塩田クラス）
（理学部数理情報科学科い組対象）
第４回の教材（２）

前へ / 戻る / 次へ

□　検索文字列のパターン要素

検索文字列には次のような「パターン要素」が使える。これらを組み合わせることによって複雑な検索が可能となる。

^	行頭
$	行末
.	任意の1文字
[...]	大括弧の中の任意の1文字と一致する1文字
[^...]	大括弧の中の任意の1文字と一致しない1文字
*	直前の文字または正規表現（パターン）の0回以上の繰り返し
.*	0文字以上の任意の文字列
\	エスケープ（次の文字の特別な意味をなくす）

Cシェル（コマンドの体系）にとって特殊な意味を持つ「特殊文字」を検索文字列に使ってしまうと、動作がおかしくなることがある。それを回避する方法としては
- その特殊文字をバックスラッシュ（\）でエスケープするか
- 検索文字列全体をシングルクォート（'）で囲む
という２通りの方法がある。ここでは、' で囲む方法で説明してゆく。
サーカムフレックス（^）は行頭を表す。例えば、
　　　 grep '^T' staff 　　　
は名前が T で始まる先生を検索する。
ドル記号（$）は行の終わりを表す。例えば、
　　　 grep 'mi$' staff 　　　
は苗字が mi で終わる先生を検索する。
ピリオド（.）は任意の1文字を表す。（Cシェルコマンドラインでの ? に相当する。）例えば ^...eとすると、先頭から４文字目が e である、という意味になる。つまり
　　　 grep '^...e' staff 　　　
は名前の４文字目が e である先生を検索する。
ドル記号やアスタリスクなどの特殊文字を含む行を検索するには、 バックスラッシュ（\,キーボードでは￥）を付けてエスケープする。
　　　 grep '\*' staff 　　　
大括弧 [ ] で囲むと、その中の1文字と一致する文字を検索する。例えば、
　　　 grep '^[PQR]i' staff 　　　
は名前が Pi, Ri, Qi のいずれかで始まる先生を検索する。
サーカムフレックス（^）が大括弧の中にあると、 その後の文字と一致しない という意味になる。（ややこしいよね。）例えば、
　　　 grep '^[^P-R]i' staff 　　　
は名前の２文字目が i であって、しかも始まりが Pi, Ri, Qi のいずれでもない先生を検索する。
スペースを含む文字列を検索する時には、検索文字列全体をダブルクォート（"）で囲む。例えば、
　　　 grep "o O" staff 　　　
は名前が o で終わって苗字が O で始まる先生を検索する。
アスタリスク（*）が文字またはパターンの後ろについたときは、 「その文字またはパターンが 0 回以上任意回数繰り返される」と解釈する。（ 0 回も許されるのがややこしいところ。）
英語のスペルチェック用の辞書が /usr/dict/words というファイルに入っている。これを使ってパターンマッチングの練習をしてみよう。例えば "e" が1文字以上続いた後に man が来る単語を検索するには次のようにする。
　　　 grep 'ee*man' /usr/dict/words 　　　
また、 "o" が2文字以上続いた後に p が来る単語を検索するには次のようにする。
　　　 grep 'ooo*p' /usr/dict/words

前へ / 戻る / 次へ