数値解析 第3回 (1) 数値解法の必要性、状況設定

数値解法の必要性

 第1回の講義でもお話ししましたが、なぜ方程式を数値的に解かなければならないかという理由を復習しておきましょう。

(1) そもそも方程式と言うのはそうそう式や記号で解けるものではありません。
Th.1 5次以上の代数方程式には根号を用いた解の公式は存在しない。 ( アーベル、ガロア )
Ex.2 ケプラー方程式
$\sin x = ax +b$
は天体の運動を表すが、式では解けない。 (「特殊関数」と呼ばれる関数を用いた公式はありますが。)

(2) 記号で解を書いてもモノは作れません。
 これも第1回に、ギターのフレームは公比 $\sqrt[12]{2}$ の等比数列で刻まれている、という話をしましたね。

状況設定

 $f(x)$ をプログラム言語のライブラリで計算できる関数とするとき、
$f(x)=0$
の解 $x=\alpha$ の近似値を求めましょう。

 たとえば
$\alpha=$ ケプラー方程式の解 ⇒ $f(x)=\sin x - ax -b$
$\alpha=\sqrt[12]{2}$ ⇒ $f(x)=x^{12}-2$
$\alpha=\pi$ ⇒ $f(x)=\sin x$
ということになります。