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数値解析 第2回 (1) 微積分の目的
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微分積分学の誕生
人類最大の悩みは
、なんといっても
未来がわからないこと
です。 未来を予測したい、という欲求が微分積分学を産み出しました。
いにしえより、天文現象のデータはたくさん記録されて来ました。
17世紀、ドイツの天文学者ケプラーはそれらのデータを基に
惑星
の運動に関するケプラーの法則を発見します。
17世紀、ドイツの天文学者ケプラーはそれらのデータを基に
惑星
の運動に関する「ケプラーの法則」を発見します。
太陽系の外の星は規則的に運動しているように見えるのに対し、 太陽と月以外の太陽系内の星は地球からの相対的位置関係から一見不規則に動いているように見え、 「惑っている星」という意味で「惑星」と呼ばれます。(「チコちゃん」でもやっていました。)
「ケプラーの法則」に触発されてニュートンは万有引力の法則を発見、 微分積分学を整備して、ニュートン力学を確立しました。
こうして人類は、単純な運動については確実に未来を予測できるようになったのです。
微分積分学は、 1642年生まれのニュートンと、 1646年生まれのライプニッツによってほぼ同時期に確立されました。
( 私たちが用いている
d
y
d
x
や
∫
f
d
x
といった記号はライプニッツの発明です。)
運動方程式
微分積分学は、
「ものの変化」を数式で表す
ことを初めて可能にしました。
位置
x
、時刻
t
と
lim
の記号を用いると、 速度
v
は微小な時間における位置の変化率として表され、
v
=
d
x
d
t
=
lim
h
→
0
x
(
t
+
h
)
−
x
(
t
)
h
となります。さらに速度の変化率
a
は加速度と呼ばれ
a
=
d
v
d
t
=
d
2
x
d
t
2
で表されます。
ニュートンの運動方程式は、言葉で言うと、
力を加えると、その力に比例して速度が変化する
ということで、式で書けば
f
=
m
a
となります。
f
は物体に掛かった力、
a
は加速度であり、その比例定数
m
を「質量」と呼びます。
a
は微分で表されますので
(
∗
)
は
微分方程式
です。
それを解けば
物体の運動が記述できる、すなわち、
未来が予測できる
訳です。
微分方程式を
式で解く
のは「応用数学」の守備範囲、
数値的に解く
のがこの授業や「シミュレーション工学」です。
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