組合せとグラフの理論(塩田)第7回 (1) 線形代数のツボ
線形代数のツボ
線形代数ではベクトル空間(=線形空間)というものを学びました。
ベクトル空間の公理という何やらややこしいものがありましたが、
もっとシンプルに考えましょう。
大雑把な定義
- ベクトルとは
を持つものである。
- ベクトルの集合をベクトル空間と呼ぶ。
約束ごとがシンプルなので、世の中の色んな所にベクトルの構造(=線形構造)が潜んでいて、
それらはぜーんぶ線形代数の知識で処理できてしまうのです。
ベクトル空間ストーリー
- 有限次元のベクトル空間には「基底ベクトル」と呼ばれるベクトルの組
$$v_1,\ v_2,\ \cdots,\ v_n$$
がある。その基底ベクトルの個数 $n=$ を次元と呼ぶ。
- ベクトル $v$ に、
$$v=c_1v_1+c_2v_2+\cdots c_nv_n$$
を満たす数ベクトル $\left(\begin{array}{c}c_1 \\ \vdots \\ c_n \\ \end{array}\right)$ を対応させることで、
全てを数値化することができる。(基底ベクトルが座標軸を定める。)
- 数ベクトルとして表現できれば、あとは行列計算をすればよい。
例えば多項式や関数も、$f(x)+g(x)$ で加法が、$cf(x)$ でスカラー倍が定義できますのでベクトルです。
この考え方は「応用数学」や「数値解析」の授業でまた出てきます。