応用数学 第9回 (4) フーリエ展開の例
偶関数・奇関数のフーリエ係数
Rem.9 f(x) のフーリエ係数について
- f(x) が偶関数ならば bn=0 ( ∀n≧1 )
- f(x) が奇関数ならば an=0 ( ∀n≧0 )
が成り立ちます。
ただし
- f(x) が偶関数とは「 f(−x)= f(x), ∀x 」が成り立つこと
- f(x) が奇関数とは「 f(−x)=−f(x), ∀x 」が成り立つこと
で、
Th.4 (⋆) で
t=−x と置換すれば示せます。
例
Ex.10 f(x) を、
x (
−π<x≦π ) を周期
2π で貼り合わせた関数
とするとき
f(x)=2∞∑n=1(−1)n+1nsin(nx)=2(sin(x)1−sin(2x)2+sin(3x)3−sin(4x)4+⋯)
if x≠(2k+1)π
証明 f(x) は不連続点を除いては奇関数ゆえ
∀an=0 であり、
bn=1π∫π−πxsin(nx)dx=1π{[−1nxcos(nx)]π−π+1n∫π−πcos(nx)dx}=2(−1)n+1n
(証明終)
なお
x=(2k+1)π では右辺
=0 ですが、
12(f(x−0)+f(x+0))=12(π+(−π))=0
となって
Th.8 (2) のとおりになっています。
Cor.11 ( ライプニッツの級数 )
1−13+15−17+⋯=π4
この式は
Ex.10 で
x=π2 とおけば得られます。
※ フーリエ展開はこのような級数和の公式をたくさん産み出します。
次の例
Ex.12 f(x) を、
π−|x| (
−π<x≦π ) を周期
2π で貼り合わせた関数
とするとき
f(x)=π2+4π∑n:奇数≧11n2cos(nx)=π2+4π(cos(x)12+cos(3x)32+cos(5x)52⋯)
証明 f(x) は偶関数ゆえ
∀bn=0 であり、
a0=1π×2∫π0(π−x)dx=1π×2π22=π,an=1π×2∫π0(π−x)cos(nx)dx=2π{[1n(π−x)sin(nx)]π0+1n∫π0sin(nx)dx}=2π{0+1n[−1ncos(nx)]π0}={4πn2n:奇数0n:偶数≧2
(証明終)
Cor.13
- 1+132+152+⋯=π28
- 1+122+132+⋯=π26
証明 Ex.12 で
x=0 とおけば
π=π2+4π(1+132+152+⋯)
となり、(1) が言えます。(2) は、
S=1+122+132+⋯
とおくと、
S−122S=(1+122+132+⋯)−(122+142+162+⋯)=1+132+152+⋯=π28
より。
(証明終)