応用数学 第3回 (3) 線形微分方程式の攻め方
2階線形微分方程式
まずは定義から。
Def.5 x の関数 y=y(x) に関する次の形の微分方程式を 2階線形微分方程式 と言う:
y″+P(x)y′+Q(x)y=R(x)
ただし、P(x), Q(x), R(x) は与えられた x の関数とする。
x の関数を係数にした
y,
y′,
y″ の一次方程式、というネイミングです。
Def.6 (7.2) の右辺を =0 に置き換えた微分方程式を (7.2) の補助方程式 と呼ぶ:
y″+P(x)y′+Q(x)y=0
また、この形の微分方程式を2階同次線形微分方程式 と言う。
補助方程式、と呼ぶのは何故かというと
Th.7 (7.2) の一般解 y は、ひとつの特殊解 y0 と、補助方程式 (7.3) の一般解 Y の和である:
y=y0+Y
証明 y も
y0 も
(7.2) の解なので
y″+P(x)y′+Q(x)y =R(x)y″0+P(x)y′0+Q(x)y0=R(x)
辺々引けば
(y−y0)″+P(x)(y−y0)′+Q(x)(y−y0)=0
となり、
Y=y−y0 は
(7.3) の一般解になります。(証明終)
Th.8 補助方程式 (7.3) の解の集合は 2 次元のベクトル空間を成す。
従って、(7.3) の 2 つの一次独立な解 y1, y2 を用いると一般解 Y は
Y=c1y1+c2y2 ( c1, c2 は定数 )
と書ける。
証明 Y,
Z を共に
(7.3) の解とすると
Y″+P(x)Y′+Q(x)Y=0Z″+P(x)Z′+Q(x)Z=0
辺々足せばば
(Y+Z)″+P(x)(Y+Z)′+Q(x)(Y+Z)=0
となり、
Y+Z も
(7.3) の解になります。
また
Y の実数倍
cY も
(cY)″+P(x)(cY)′+Q(x)(cY)=0
を満たします。
すなわち
(7.3) の解は
足すことも、実数倍することもできます ので、ベクトル空間を成します。
2階微分方程式の解は 2 個の任意定数を含むので、その次元は 2 ということになります。
(証明終)
2階線形微分方程式の攻め方 ここ大事!
Th.7,
Th.8 から、
(7.2) を解くことは次の 2 つの作業に分けられます:
- (7.2) の特殊解 y0 をひとつみつけること
- 補助方程式 (7.3) の一次独立な 2 つの解 y1, y2 をみつけること
このとき、
(7.2) の一般解
y は
y=y0+c1y1+c2y2 ( c1, c2 は定数 )
となります。
線形微分方程式の攻め方
一般に
n 階線形微分方程式
y(n)+P1(x)y(n−1)+⋯+Pn(x)y=R(x)
についてもストーリーは全く同じで、補助方程式
y(n)+P1(x)y(n−1)+⋯+Pn(x)y=0
を考えれば、
- (∗) の一般解 y は、ひとつの特殊解 y0 と補助方程式 (†) の一般解 Y の和になる:
y=y0+Y
- 補助方程式 (†) の解の集合は n 次元のベクトル空間を成す
が成り立ちます。従って
- (∗) の特殊解 y0 をひとつみつける
- 補助方程式 (†) の一次独立な n 個の解 y1, y2, ⋯, yn をみつける
ことにより、
(∗) の一般解
y は
y=y0+c1y1+c2y2+⋯+cnyn ( c1, c2, ⋯, cn は定数 )
となります。