グラフ理論とは

 幾つかの点と、それを結ぶ幾つかの辺からなる図形を『グラフ』と定義し、 その性質を研究する学問です。


 例えばコンピュータネットワークは計算機を点、 回線を辺と見做すとグラフになります。 ネットワークの設計では データ通信の効率や 安全性(事故が起こった時の予備経路の確保) が問題になりますが、 これらはグラフ理論の言葉に直して考えられます。


 次のような問題はすべてグラフ理論の問題として定式化されます。

  1. ひと筆がきの問題

  2. 最短路問題:
     地図上の都市を点、道を辺と考えた時、 ふたつの都市間を結ぶ最短の経路を求める問題です。

  3. 郵便配達夫問題:
     地図上の道を辺と考えた時、 郵便配達夫がすべての道を最低1回以上通って郵便局に帰って来る 最短の経路を求める問題です。

  4. 巡回セールスマン問題:
     家を点、道を辺と考えた時、 セールスマンがすべての家を回る最短の経路を求める問題です。

  5. 地図の色の塗り分け問題:
     国を点、境界線を辺と考えるとグラフ理論の問題になります。 特に平面地図が4色で塗り分けられるという「4色問題」は グラフ理論の手法を用いて解決されました。

  6. プリント基盤の設計:
     電気回路をプリント基盤上に設計するとき、 素子を点、配線を辺と考えると何層の基盤が必要かが グラフ理論を用いて考えられます。


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