グラフ理論とは
幾つかの点と、それを結ぶ幾つかの辺からなる図形を『グラフ』と定義し、
その性質を研究する学問です。
例えばコンピュータネットワークは計算機を点、
回線を辺と見做すとグラフになります。
ネットワークの設計では
データ通信の効率や
安全性(事故が起こった時の予備経路の確保)
が問題になりますが、
これらはグラフ理論の言葉に直して考えられます。
次のような問題はすべてグラフ理論の問題として定式化されます。
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ひと筆がきの問題
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最短路問題:
地図上の都市を点、道を辺と考えた時、
ふたつの都市間を結ぶ最短の経路を求める問題です。
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郵便配達夫問題:
地図上の道を辺と考えた時、
郵便配達夫がすべての道を最低1回以上通って郵便局に帰って来る
最短の経路を求める問題です。
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巡回セールスマン問題:
家を点、道を辺と考えた時、
セールスマンがすべての家を回る最短の経路を求める問題です。
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地図の色の塗り分け問題:
国を点、境界線を辺と考えるとグラフ理論の問題になります。
特に平面地図が4色で塗り分けられるという「4色問題」は
グラフ理論の手法を用いて解決されました。
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プリント基盤の設計:
電気回路をプリント基盤上に設計するとき、
素子を点、配線を辺と考えると何層の基盤が必要かが
グラフ理論を用いて考えられます。
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