数値解析 第7回 (1) 前回の復習
数値積分の基本方針
前回から定積分 $\dps{\int_a^b f(x)dx}$ の近似公式を作っていました。
その基本方針は次のとおりでした:
- 積分区間 $[\,a,b\,]$ をまず $N$ 等分する。
- その $N$ 等分した小区間 $[\,\alpha,\beta\,]$ ごとに $m+1$ 個の観測点
$\alpha \leqq x_0 \lt x_1 \lt \cdots \lt x_m \leqq \beta$
を取り、
$p(x)=\big($ $\{\,x_k\,\}_{k=0,1,\cdots, m}$ に関する $f(x)$ のラグランジュ補間多項式 $\big)$
として $\dps{\int_{\alpha}^{\beta}p(x)dx}$ を $\dps{\int_{\alpha}^{\beta}f(x)dx}$ の近似値とする。
$p(x)$ は具体的に求める必要はなくて、
$\dps{\int_{\alpha}^{\beta}p(x)dx = \sum_{k=0}^m}($ 重み $w_k\,) \times($ 観測値 $y_k\,)$
( ただし $y_k=f(x_k)$ )
の形になります。
関数の内積
関数は、足せて、実数倍ができることからベクトルと考えることができ、更に
$\newcommand{\ip}[2]{\langle\,#1, #2\,\rangle}$
$\newcommand{\vecv}{\boldsymbol{v}}$
$\newcommand{\vecw}{\boldsymbol{w}}$
$\dps{\ip{f}{g}=\int_{-1}^{1}f(x)\,g(x)\,dx}$
によって $[\,-1,1\,]$ 上の関数たちに内積を定めることができます。