雨の当たり年にちゃんと太鼓踊りの奉納ができた話

 平成5年は雨の当たり年、梅雨明け宣言が出なかった年です。 8月に入っても毎日の様に雨が降り、 そのままお盆を越えていました。

 琵琶湖の北に余呉町という町があります。 羽衣伝説の残る湖、余呉湖のある町です。 ここの下余呉地区では毎年8月の野神祭りに 太鼓踊り を奉納しています。 例年は8月20日でしたが、この年から日曜日に変更したため 2日遅れの8月22日が野神祭りとなりました。

 この日も朝からどんよりとした曇り空です。 大太鼓と鉦打ちの中学生、小太鼓とお囃子の小学生、 みんな公会堂に集まって準備は万端整っています。 夏休みの間毎日練習を積んできたのですから なんとかお天気にはもって欲しいものです。

 世話役さんの決断でとにかく踊りを奉納することになりました。 行列を組んで神社まで練り歩き、境内で踊りを始めると、 どうでしょう、雲が切れてきたではありませんか。 久しぶりに見た太陽。 子供達が一所懸命やっているのを見て神様がお天気にしてくれた、 そうとしか思えないではありませんか。

 踊りが終わって皆が帰途に付く頃 みるみる真黒な雲が空を覆い尽くし、 バケツをひっくり返したような激しい雷雨がこのあと何時間も続きました。

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