第14回の教材(2)   講義編 プレゼンテーションのノウハウ その2
聴いているもう一人の自分
プレゼンの準備・練習をするときに、自分の発表を聴いている「もう一人の自分」をイメージすることが大事です。
例えば卒業研究発表では、一所懸命やった人ほど内容は豊富になり「伝えたい」という気持ちが勝ってしまって、
結局は何も伝えられていない、ということがあります。
聴いている自分をイメージして、次のようなことをチェックしましょう。
- 前回強調したように、スライドが「絵」になっているか
- 内容を盛り込み過ぎていないか
- 話すスピードは適切か
- 聴き手の方を向いているか(視線も、気持ちも)
- 原稿を読んでいるだけではなく、聴き手に語り掛けているか
「で・ある調」と「です・ます調」の使い分け
- スライドや配布資料は「で・ある調」
- セリフは「です・ます調」
と使い分けましょう。目で見させるものは丁寧にして長くするよりは、短く「で・ある調」で書いて、
セリフの方は「語り掛ける感」を出すために「です・ます調」で話すと、聞きやすくなります。
内容の選択
- 同じ話をするにしても、聴衆のレベルに合わせて内容を取捨選択する必要があります。
- 学会では、専門用語や一定の専門知識は聴き手と共有できていますので、「その先」だけ話せば良く、
逆にいちいち基本的な事柄を説明しているとシロウトと思われてしまいます。
- 卒業研究発表のような場では専門分野の違う聴き手が大多数ですので、思い切って概要だけ話す、といったような工夫が必要になります。
得てして、研究で一番苦労したややこしいところは全く理解してもらえないものです。
- 聴き手の頭の中のメモリはそんなに高機能では無いと仮定して、例えば、聴き手にとって初めて聞く概念はせいぜい3つに留めるとかします。
- 削れるものはトコトン削りましょう。
起承転結をつける
- 起承転結を付けるのはプレゼンでももちろん大切です。
- 研究の目的や発表全体の概要などを最初に話しておくと、聴き手は今聴いている話の位置付けがわかるので理解しやすくなります。
- 大事なことは起承転結の中で繰り返し話してもかまいません。
- 最後にまとめをつけることで、全体の話が聴き手の記憶に整理して save されます。