第15回(1)   本講義のまとめ

デジタルとアナログの住み分け

 いまやデジタル中心の世の中になっていますが、 デジタルのデメリットも正しく認識しておきましょう。

  • そもそも、災害時など電気が無い状況ではデジタル機器は使えません。
  • 忠実なコピーが作れるというメリットの裏返しで、
    • 違法コピーが蔓延してしまう
    • 好ましくない情報もネット上に半永久的に残ってしまう
    • 人間がものを大切にしなくなった
    というデメリットがあります。
  • また、簡単に情報検索できるというメリットの裏返しで、
    • 五感を駆使して感じ取る、とか、慮る(おもんばかる)、 ということを人がしなくなった
    • どこまでが「身に付けておくべき知識」なのかが分かりにくくなった
    というデメリットがあります。
  • 紀元前に描かれたナスカの地上絵が今でも見れるのはアナログ情報だからで、 デジタル情報はその仕様・規格がわからなければ復元することができません。
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  • もっと短い時間スパンでも、次の様な理由でデジタル情報が読めなくなる恐れがあります:
    • 信号設計・記憶媒体等の仕様変更
    • 記憶媒体の耐久性
    • 再生機器の生産中止
    例えば塩田の博士論文のプログラムやデータは5インチ・フロッピーディスクに保存してありましたが、 もはや読み出せる機器がありません。

 私たちがアナログな実在を持っている以上、アナログを捨ててしまってはいけません。 デジタルとアナログは、互いを補完するものとして共存させましょう。

本講義のまとめ

  • 講義編では、理系の教養として情報倫理や情報技術から幾つかのトピック
    • 著作権
    • Web モラル
    • アナログ・デジタル変換
    • 誤り訂正技術・暗号技術
    • ネット通信の約束事 etc.
    を紹介しました。科学技術は基礎研究に支えられていることを忘れないようにしましょう。
  • 演習編では、レポートや論文の作成、研究発表を念頭に
    • Excel によるデータ処理・グラフ作成
    • 画像作成・画像処理
    • WORD による、数式や図の入ったレポート作成
    • プレゼン資料作成 etc.
    を行いました。 ... 必要なことは Web で検索するなりすればよいので、細かい作業手順は忘れても全然構いません。 「こんなことはパソコンでやったことがある」ということを覚えておいてください。