第4回の教材 (3)   人工知能( AI = Artificial Intelligence )

人工知能の略歴

  • 1960年~1974年頃:第1次 AI ブーム
    • プログラムに組み込まれたルールを元に推論・探索を行う。
    • 簡単な Toy Problem ( おもちゃの問題 ) しか解けない。
  • 1980~1987年頃:第2次 AI ブーム
    • 専門的知識をルールとして追加してゆける「エキスパートシステム」が開発され、AI が実用的になる。 (ルールの追加作業は人間がやる)
  • 2006年~:第3次 AI ブーム
    • 機械学習・深層学習によって AI が自ら知識を獲得できるようになった。

機械学習と深層学習の違い

 どちらも、沢山の学習データを与えると AI がルールを獲得するが、
  • 単なる機械学習:
    • 「特徴量」の設定は人間が行わなければならず、しかも調整が難しい。
  • 深層学習 ( Deep Learning ):
    • AIが自ら適切な「特徴量」を獲得する。

機械学習・深層学習も万能ではない

  • 機械学習の欠点
    • 学習データに偏りがあってはいけない
  • 深層学習の欠点
  • どちらも
    • 大量の学習データと大量の学習時間が必要
    • 「ブラックボックス化」されていて判断の根拠が人間にはわからない
 ⇒ AI システムには性能評価が必要。

AI システムの性能評価指標

 真/偽 を判定する場合
  • 正解率 ... 判定の何%が正解であったか
  • 再現率 ... 本当は真であるケースの、何%を真と判定できたか
  • 適合率(= 精度)... 真と判定した中で、何%が正解であったか

例えばコロナ診断 AI システムがあったとして

  • 再現率は高いが適合率が低い
    ⇒ 陽性者を高確率で発見できるが、陰性者も陽性と判定しまう確率が高い
  • 再現率は低いが適合率が高い
    ⇒ 陰性者を陽性と誤判定することは少ないが、陽性の人を見逃す確率が高い
 状況によって、重視すべき指標を考える必要があります。