第14回の教材(1)   講義編 ネット通信の仕組み
コンピュータのアドレスの約束ごと
- ネット通信も、郵便などと同様、アドレスで宛先・送信元を特定します。
- 例えば高知大学の Web サーバのアドレス・ホスト名は次の通りです。
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IPアドレス |
ホスト名 |
高知大学の Web サーバ |
23.100.106.107 |
www.kochi-u.ac.jp |
s ドメインの Web サーバ |
133.97.99.52 |
www.s.kochi-u.ac.jp |
情報科学教室の Web サーバ |
133.97.166.95 |
www.is.kochi-u.ac.jp |
- IPアドレス
... 4桁の256進数 ( = 4バイト = 32ビット ) で表します。
上位バイトがドメイン、下位バイトがホストを表し、
例えば情報科学教室のドメインは 133.97.166 で、その 95 番のマシンが Web サーバということです。
- ドメイン名・ホスト名
... 数字ではわかりにくいので、人間が理解しやすいように付けた別名です。
いくつかのドットで区切ります。
IP アドレスとは前後ろが逆で、後ろの方が大きな括り(くくり)、一番前がホスト名になります。
- jp の部分はトップレベルドメイン (TLD) と言います。
... jp のような国コードTLD (ccTLD) と、com のような分野別TLD (gTLD) があります。
- ac の部分は第2レベルドメインと言います。
... ac はアカデミックな機関という意味。行政機関は go, 会社は co など、です。
- kochi-u.ac.jp で高知大のドメインを表します。
- s.kochi-u.ac.jp はそのサブドメインです。
- www.s.kochi-u.ac.jp で、そのサブドメインにある www というサーバを表します。
- URL = Uniform Resource Locator
... ホームページのアドレスなどは URL と呼びます。
例えばこの教材の URL は http://lupus.is.kochi-u.ac.jp/js2020/L14a.html です。
アドレスの管理
- IPアドレスもドメイン名も重複が起こらないように管理されています。
- DNS = ドメイン・ネーム・システム
... 人間はドメイン名・ホスト名でアドレスを記述しますが、実際の通信はIPアドレスで行われます。
そのためにドメイン名をIPアドレスに変換してくれるシステムが DNS です。
ドメイン・ネーム・サーバと呼ばれるサーバがネットワークの要所要所にあって働いています。
TCP/IPプロトコル
- プロトコルとは通信規約のことで、電話で「もしもし」と言うようなものです。
インターネットでは TCP/IP というプロトコルに従って通信が行われています。
- IP
... インターネット・プロトコル。
宛先、差出人、発信日時、データの大きさなどの情報の付け方を定める通信規約です。
- TCP
... 大きなデータをいくつかのパケットに分割して送信、着信後もとの状態に戻すための通信規約です。
アドレスの枯渇問題
- 4バイトのIPアドレス ( IPv4 ) は約40億通りしかありません。
世界中の人がスマホなどの通信機器を持つ時代になって番号が足りなくなってきました。
その対策として次のようなことが行われています。
- DHCP環境
... ドメインの中に DHCP サーバを置いて、
そのドメイン内のネットワークに接続されたコンピュータに対して、
接続されている間だけ動的にアドレスを発行する仕組みです。
学内でノートPCを接続するとこの仕組みが働いています。
- IPv6:128ビット ( 約3.4×1038通り ) のアドレスを用いる仕組み。
IPv4 の枯渇が問題視されるようになった 1992年から検討が開始されて、じわじわと普及しつつあります。