第9回の教材(1)   講義編 静止画像・動画の量子化

静止画像の量子化

  • 量子化の方法
    1. 画像を細かい格子(画素、ピクセル)に区切る。
    2. 各ピクセルの色を、三原色の赤(R)・緑(G)・青(B)に分解し、 その明るさを2進数で表す。

  • パソコン画面(フルカラー 16,777,216色)の例:
    • 解像度 1920×1080 = 2,073,600 ピクセルの場合、
    • 赤(R)・緑(G)・青(B)の明るさはそれぞれ 256 = 28 段階
    • 合計約6MB

  • このままではデータ量が膨大なので、保存するときには gif, jpg(jpeg), png などの規格に従ってデータ圧縮するのが普通。
    • サンプル画像
    • jpg は離散コサイン変換を用いる。
      • 色情報を三角関数で級数展開(理論的には無限和)し、 そのうち画質設定に応じた項数だけを記録。
      • 元のビットマップには完全には戻らない(非可逆圧縮)。
      • 画像の加工が終わるまでは jpg での保存は繰り返さないほうが良い。
    • gif は使う色を 256 色に限定する。
      • 可逆圧縮とは言え、256 色の状態までしか戻らない。

動画の圧縮方法

  • 映画の DVD は ...
    • 1秒24フレーム
    • 解像度 = 720×480 ピクセル
    • jpeg 画像で全てのフレームを記録するには、120分で
           約 200KB×24×60×120 = 約35GB
      が必要。このままでは 4.7GB の DVD に入らない。

  • 圧縮のアイデア
    • ほとんどのフレームは直前のフレームと似ている
    • 場面転換(や、早い動き)のときだけ直前のフレームと大きく異なる
    そこで場面転換以外では「直前のフレームとの差分」を記録すると良い。