第3回 補足資料 プレゼンテーションのノウハウ
久米宏氏と池上彰氏の対談
BS放送でやっていた久米宏氏と池上彰氏の対談がとても参考になりますので、先ずはその話から。
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久米宏氏は朝日放送「報道ステーション」の前身「ニュースステーション」(1985年10月~2004年3月)のメインキャスター。
報道番組としては異例のくだけた語り口で、
「筑紫哲也NEWS23」(1989年10月~2008年3月)の筑紫哲也氏と人気を二分した。
池上彰氏は元NHK、現在はフリーのアナウンサー。
「週刊こどもニュース」の司会を長く務め(1994年4月~2005年3月)、難しいニュースを易しく解説することで有名。
録画していなかったのでおおよそですが、久米宏氏は次のようなことを言っておられました。
テレビは絵が見えてしまうので、例えば、背景に気になるものがあったり、手がちょっと動いたり、そういうちょっとしたことにも意識が取られてしまう。
だから
大事なニュースを読むときは、背景をシンプルにして、自分もできるだけ動かないように心がけていました、と。
- 発表の主役はしゃべり言葉です。聞き手に言葉が伝わらないと説明になりません。
- 画面に文章を書いてしまうと、聞き手の言語中枢が画面(視覚)に奪われてしゃべり言葉を聞かなくなります。
しゃべり言葉には、声色、テンポ、間合い、表情、などさまざまな情報が加わっていますが、それが伝わりません。
ここ極めて大事!!
- 今のテレビ放送はやたら画面に文字をあふれさせていますが、あれは間違いです。
スライドは「絵」にせよ
- スライドとはもともと映写機で写すための写真のことでした。
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※ 焼き増しを目的として色が反転しているネガティヴ・フィルム(ネガ)に対し、
スライド用のフィルムをポジティヴ・フィルム(ポジ)、あるいはリヴァーサル・フィルムと言います。 |
- ノートパソコンが普及する前は、スライドはしゃべり言葉を補佐するために存在していました。
それは本当は今も変わっていないのです。
上に述べたように、スライドは「絵」として提示しなければなりません。
サンプルドキュメント
- 亥の子行事の紹介:
2つのドキュメントを見比べてみてください。Inoko1.pptx は
- スライドに文章が書いてある
- それも、セリフが丸ごと書いてある
- 写真同士が重なったり、写真に字が重なったりしている
のに対し、Inoko2.pptx は文字数も少なくすっきりしてます。
- 円周率物語:
これもスライドにセリフを全部書いた 円周率1.pptx より 円周率2.pptx の方が「絵」になっています。
スライドを「絵」にするテクニック
- スライドに文章が書いてあると聞き手はそれを読み始めてしまいますので、スライドに書く文字はキーワードにとどめるのが基本作戦です。
- 「です。」とか「ます。」とかを書いてしまうと文章になりますので、体言止めを使います。
- 助詞・接続詞を「絵」にするには
- 「は」は「:」で代用する
- 「ならば」は で代用する
という手があります。
- そして文字数を徹底的に減らすことが大事です。
- 広い会場ではプロジェクタのスクリーンは案外見にくいので、
フォントはゴシック体の、28~32ポイント程度の大きな文字を使うといいです。