Ex.12 まずは二分木の場合に、チョー丁寧に動作を確認してみましょう。
次の図で $v=0$ を根として幅優先探索を実行します。
最初は、キューが $Q=\{\,0\,\}$, 赤い部分が $T$ です。
$x=0$ を $Q$ から取り出し、これを探索点(青い頂点)とします。 一旦 $Q$ は空になります。
$x=0$ の隣接点 $1$, $2$ はどちらも未探索ですから $y_1=1$, $y_2=2$ になり、
$T$ には辺 $01$ と $02$ を追加、$Q=\{\,1,2\,\}$ になります。
$x=1$ を $Q$ の先頭から取り出し、これを探索点とします。 $Q=\{\,2\,\}$ になります。
$x=1$ の隣接点 $0$, $3$, $4$ のうち未探索なのは $y_1=3$, $y_2=4$ の 2 つで、
$T$ には辺 $13$ と $14$ を追加、$Q=\{\,2,3,4\,\}$ になります。
$x=2$ を $Q$ の先頭から取り出し、これを探索点とします。 $Q=\{\,3,4\,\}$ になります。
$x=2$ の隣接点 $0$, $5$, $6$ のうち未探索なのは $y_1=5$, $y_2=6$ の 2 つで、
$T$ には辺 $25$ と $26$ を追加、$Q=\{\,3,4,5,6\,\}$ になります。
未探索点が無くなりましたので人間がやるときはここでおしまいです。
(アルゴリズム的にはこのあと、$3$, $4$, $5$, $6$ を $Q$ から取り出して $Q$ が空になって終了します。)
Ex.14 もうひとつ、木ではないグラフで、もっとラフにやってみます。やはり $v=0$ を根とします。
根 $v=0$ から探索を開始します。
探索点 $0$ から未探索点 $1$, $2$ が見えますので、
$0$ から $1$, $2$ へ辺を伸ばします。
探索点は、キュー $Q=\{\, 1,2\,\}$ の先頭要素 $1$ に移します。
探索点 $1$ から未探索点 $3$, $4$ が見えますので、
$1$ から $3$, $4$ へ辺を伸ばします。
探索点は、キュー $Q=\{\, 2, 3, 4\,\}$ の先頭要素 $2$ に移します。
探索点 $2$ から未探索点 $5$ が見えますので、$x=2$ から $5$ へ辺を伸ばして終了です。