応用数学 第13回 (4) ラプラス逆変換の計算例
ラプラス逆変換の計算例
Ex.8 ( 表 I, 11 ) L−1(as+b(s−μ)2)=eμt(a+(b+μa)t)
∵ まず
as+b(s−μ)2=a(s−μ)(s−μ)2+b+μa(s−μ)2=a(s−μ)+b+μa(s−μ)2
と分けます。
表 I, 3 より
L−1(1s)=1,
L−1(1s2)=t
ゆえ、
表 II, 1, 5 と合わせて
L−1(as+b(s−μ)2)=aL−1(1s−μ)+(b+μa)L−1(1(s−μ)2)=a eμtL−1(1s)+(b+μa) eμtL−1(1s2)=eμt(a+(b+μa)t).
例 3.1 (4) L−1(s+5s2−2s+5)= ?
分母
=(s−1)2+22 なので
表 I, 9-10 の
λ=2 の場合
L−1(2s2+22)=sin(2t),
L−1(ss2+22)=cos(2t)
が使えそうだな、と考えます。
(s−1) に着目して
s+5s2−2s+5=(s−1)+6(s−1)2+22=s−1(s−1)2+22+32(s−1)2+22
と分けます。
Ex.8 と同様にして
L−1(s+5s2−2s+5)=L−1(s−1(s−1)2+22)+3L−1(2(s−1)2+22)= etL−1(ss2+22)+3etL−1(2s2+22)=et(cos(2t)+3sin(2t)).
例 3.2 (1) L−1(2s+7s2+5s+6)= ?
今度は分母
=(s+2)(s+3) なので部分分数を使ってみましょう。
2s+7s2+5s+6=As+2+Bs+3
とおくと
2s+7=A(s+3)+B(s+2)
s=−2 を入れて
A=3,
s=−3 を入れて
B=−1 がわかり、
表 I, 6 から
L−1(2s+7s2+5s+6)=3L−1(1s+2)−L−1(1s+3)=3e−2t−e−3t.
例 3.3 (2) L−1(λ2(s2+λ2)2)= ?
これは
表 II, 10 合成法則
L−1(FG)=L−1(F)∗L−1(G)
を使う例です。
L−1(λ2(s2+λ2)2)=L−1(λs2+λ2)∗L−1(λs2+λ2)=sin(λt)∗sin(λt)=∫t0sin(λ(t−u))sin(λu)du=12∫t0{cos(λ(t−2u))−cos(λt)}du=12[{1−2λsin(λ(t−2u))−cos(λt)u}]t0=12{1λsin(λt)−tcos(λt)}.
分数式のラプラス逆変換のポイント
分数式は
1(s−μ)n,
λ(s−μ)2+λ2,
(s−μ)(s−μ)2+λ2,
λ(s−μ)2−λ2,
(s−μ)(s−μ)2−λ2
の形の分数式を組み合わせた形に書き直し、
必要なら最後の例のように合成法則を使います。