応用数学 第12回 (4) 双曲線関数

$\newcommand{\LT}{\mathscr{L}}$

双曲線関数

Def.7 次の関数を双曲正弦・双曲余弦 ( hyperbolic sine, hyperbolic cosine ) と呼ぶ:
$\dps{\sinh(t)=\frac{1}{2}(e^t-e^{-t}),\qquad \cosh(t)=\frac{1}{2}(e^t+e^{-t})}$
 その名前の由来は
Rem.8 単位円上の点が $(\cos\theta,\, \sin\theta)$ とパラメータ表示できることのアナロジーで
直角双曲線 $x^2-y^2=1$ 上の点は $(\cosh(t),\,\sinh(t))$ とパラメータ表示できる。
また
$\cosh'(t)=\sinh(t)$, $\qquad\sinh'(t)=\cosh(t)$
が成り立ち、いずれも微分方程式
$y''=y$
の解である。
 また、$\cosh$ は身近なところにあるというお話で、
Rem.9 弾力の無いひもを2点で固定して吊るしたとき、 ひもが描く曲線は懸垂線と呼ばれ、 適切に座標を取れば $y=\cosh(x)$ と相似になる。
さて、双曲線関数のラプラス変換は次の通りです。
Th.10 $\dps{\LT(\cosh(\lambda t))=\frac{s}{s^2-\lambda^2}}$,  $\dps{\LT(\sinh(\lambda t))=\frac{\lambda}{s^2-\lambda^2}}$   ( $s \gt |\,\lambda\,|$ ).