応用数学 第9回 (1) 発想の原点:弦楽器

弦楽器

 弦楽器は、文字通り弦の振動によって音を奏でる楽器です。
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 たとえばギターには普通6本の弦が張ってあって、音の低い方から2番目の弦 ( 第5弦 ) は 110ヘルツ ( A2 ) に調律するのが標準的です。

 弦は両端が固定されていますので、その両端を通る正弦波が基本的な弦の形です。 第5弦が出す一番低い音は 110ヘルツ ( A2 ) ですが、 ハーモニックスと言って、
  • 周期が半分の音 220ヘルツの A3
  • 周期が3分の1の音 330ヘルツの E4
など、A2 と和音を成す音も第5弦の音には混じっています:

ところで

 ギターの弦を、爪やピックで弾く瞬間には弦は次のような形をしています:
これは正弦波ではないのですが、 もしかしたら周期の違う正弦波を無限個重ねたらこの形になるのではないか、 というのがフーリエ級数の発想の原点です。