アルゴリズム論特論(塩田)第5回 (5) 完全数

完全数

 フェルマ先生は「完全数」の研究の中でこの定理を見つけました。
Def.14 自然数 $n$ が、$n$ より小さいすべての $n$ の約数の和と等しいとき、$n$ を「完全数」と呼ぶ。
Ex.15 $6$, $28$ はいずれも完全数である:
$6=1+2+3$,
$28=1+2+4+7+14$
 $6$ は半年の月の数、$28$ は月の公転周期であり、完全数が宇宙の構造を決めているという発想がありました。 それは勘違いだったのかもしれませんが、科学を発展させる原動力は、案外そういう勘違いだったりします。

 $6$, $28$ の次に大きい完全数は $496$, $8128$, $33550336$, $\cdots$ と急激に大きくなっていきます。 $p$ が素数で、$2^p -1$ も素数であるとき、$2^{p-1}(2^p-1)$ は完全数になります。 また逆に、偶数の完全数はこの形に書けることもわかっています。 しかし、奇数の完全数が存在するか否かは、紀元前からの問題ですが未だに解けていません。